2019/6/18  日本経済新聞の抜粋です。

「ここは香港だ。中国ではない」と書かれたプラカードを掲げ、デモ行進する人たち(16日、香港)=三村幸作撮影

「ここは香港だ。中国ではない」

と書かれたプラカードを掲げ、デモ行進する人たち(16日、香港)=三村幸作撮影

香港の混乱に収まる兆しが見えない。16日に主催者発表で200万人が参加したデモの根っこには、香港を強圧的に統治しようとする中国の習近平(シー・ジンピン)指導部に向けられた市民の積年の不信がある。刑事事件の容疑者を中国本土に引き渡せるようにする「逃亡犯条例」の改正問題は、香港市民が決起したきっかけにすぎない。

香港の中心部を埋め尽くした16日のデモでは、「条例撤回」に交じって「香港は中国でない」「私たちは中国人ではない」といったプラカードを掲げる市民の姿が目に付いた。香港への統制を強化し、中国との一体化を進める習政権に対する「ノー」の意思表明にほかならない。

中国は1997年7月に香港を英国から取り戻す際、50年間は高度な自治や言論の自由を認めると約束した。香港を改革開放の起爆剤にしようとした当時の最高指導者、

鄧小平氏が考え出した「一国二制度」だ。

しかし、

2012年に中国共産党トップに就いた習氏は、明らかに「二制度」よりも「一国」に重きを置いてきた。

14年に行政長官選挙の民主化を求める市民や学生らが大規模なデモを繰り広げた

「雨傘運動」の際には一切の妥協を拒否した。16年の香港立法会(議会)選挙で当選した独立を志向する民主派議員の資格を次々と剥奪し、中国に盾突く勢力を絶対に許さない姿勢を鮮明にした。

言論の自由も脅かされている。15年には中国共産党に批判的な書籍を売る書店の店主らが中国の公安当局に拉致・拘束される事件が起きた。香港市民にすれば返還から50年後に起こるかもしれないと懸念した事態が、わずか20年で次々と現実になっているのである。

「中央の権力に対するいかなる挑戦も絶対に許さない」。習氏は17年7月の香港返還20年に際し、自ら香港に乗り込んですごんだ。香港の青少年に中国への愛国心を植え付ける「愛国教育」を強化すると訴え、香港の「中国化」を進める考えを隠そうとしなかった。

香港を完全に押さえ込んだという自信の表れだったにちがいない。域内総生産(GDP)で香港は上海や深圳に追い抜かれ、対中国GDP比では返還時の18%から3%弱にまで低下した。中国本土で共産党の指導を徹底して言論統制を強めるなか、香港をいつまでも特別扱いできないという事情もあった。

しかし、完全に読み誤っていたと言わざるを得ない。香港政府トップの林鄭月娥行政長官が15日に条例改正を無期限延期すると発表し、中国政府は支持を表明した。習政権にすれば、香港に対するかつてない「譲歩」であり、これで市民の反乱は収まると高をくくったのだろう。

だが条例撤回を求める市民は街頭に再び集結し、全住民の4人に1人が参加する過去にない規模に拡大した。雨傘運動が成果なく終わった後、政治と距離を置いていた人々も、条例が可決されれば自らの身にも危険が及びかねないとの焦燥感から立ち上がった。司法システムを含む中国の一党独裁体制に対し、香港市民が抱く不信を甘く見ていたのである。

28~29日に大阪で開く20カ国・地域首脳会議(G20サミット)では、トランプ米大統領が香港問題を取り上げる構えをみせる。習氏は中国の内政である香港問題を国際会議の場で話し合うのは受け入れられないはずだ。中国の「核心的利益」にかかわる問題であり、対応を誤れば政権基盤が揺らぐおそれすらある。

中国への怒りを爆発させた香港市民はすでに国際社会を味方につけた。20年1月に総統選を控える台湾では中国への警戒感が一段と強まり、「一つの中国」を認めない民進党の蔡英文総統が勢いを増している。いずれも習政権が自らまいた種の結果である。

(中国総局長 高橋哲史) 日本経済新聞

香港デモ隊、警官隊と再衝突 中国本土とつながる鉄道駅への行進後

2019.07.08

機動隊とデモ隊の衝突で5人逮捕 香港警察

共産主義:独裁国家はこのままでは済ませない。
拉致だの行方不明者が間違いなく出てくる!
日本の常識では考えられない出来事が出てくる。

何にも出来ないが見守ることはしたい。